過去を紐解くナックルパン時代の指定オイルの粘度

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ひょんなことから見つけたナックル、パン時代のサービスマニュアル。ここに温度による指定オイル違いを書いてあったので紐解く

まず1940-1947のマニュアル OHVはナックル。+10°F以上ではMedium Heavy(GRADE75 SAE40)を使用 +10°F以下ではLight(GRADE58 SAE30)を使用すると書いてある。

この+10°Fをどう換算するかで意味が変わってくる。単純に華氏を摂氏に変換すると-12℃になる。これに疑問が生じる。-12℃でバイクに乗るか???

となると”+”に意味があるのでは。32°Fが摂氏0度なので、多分32Fを基準に+10Fでは?? となると42°F 5.6℃ 5.6℃を基準に上だとMedium Heavy、下だとLightを使用 さらに凍るようだとケロシン入れてねって書いてある。ケロシンは灯油である。相対温度で考えるほうが納得できる。

 

次にサイドバルブの気温による分け方を見てみよう

+32°F以上ではRegular Heavy(GRADE105 SAE50) +32°F-+10°FではMediumHeavy(GRADE75 SAE40) +10℉以下ではLight(GRADE58 SAE30)を使用

絶対温度で見ると32°Fは摂氏0度なり、0℃以上は50番となる。なので旧車はシングル50ということになったのかもしれない。ところがこれを相対温度だとすると、32℉+32℉で64℉となり17.8℃以上はシングル50となる。これはショベルのマニュアルと同じ気温の分類である。

+32°F-+10°FではMediumHeavy(GRADE75 SAE40)==絶対温度だと 0℃から-12℃ではシングル40 相対温度だと 17.8℃から5.6℃まではシングル40

こちらも相対温度で考えると、ショベルでの温度による分類と同じ

+10℉以下ではLight(GRADE58 SAE30)== 絶対温度だと-12℃以下ではシングル30 相対温度だと 5.6℃以下はシングル30

こちらも相対温度で考えると、ショベルでの温度による分類と同じ


次に1948-1957のパンヘッドのマニュアル こちらもナックル時代と同じ温度表記


 

 

 

 

 

 

次に1958-1959のマニュアル ここに来て”+”は消え、below32℉(0℃以下)では”special light”シングル30を

between32℉ー75℉(0℃ー24℃)ではMedium Heavyシングル40を

over75℉(24℃以上)だとRegular Heavyシングル50を それぞれ使用になっている。ただし、”Use for normal service at temperatures over 75℉ and for extreme service at any temperature”と記載されており、あらゆる気温でも極端な使用状況においてはシングル50となっている。これを元にオールシーズンシングル50になったのかもしれない。


上記は1959-1969のマニュアルに記載している内容である。同じ1959がかぶっているのに、GRADE105(SAE50)の使用は”Severe operating conditions at high air temperatures”となっている。気温が高くてシビアな運転するときはシングル50にしてね、とニュアンスが変わっている。多分、1958-59のマニュアルで温度の記載間違えちゃったってなったのかもしれないww

以上の内容をふまえ、1957までのマニュアル記載の”+”が相対温度ということが、気温と使用オイルの分類で、おそらく正解なんだと思われる。1957と1958で内部構造が劇的に変わったりオイルの性能が格段に変わったということは無いだろうし、相対で書いていたら勘違いして寒いときに固いオイル入れてエンジン壊してしまうユーザーも多かったのかもしれない。(あくまで想像)なので絶対温度に表記を変えて、58秒や75秒105秒などのグレードもオイル缶に追加して気温に合った粘度のオイルを間違いなく使用してもらうように配慮したのかもしれない(想像)

というわけで、もしナックルパン時代の”+”表記の相対温度が基準になって、旧車にはシングル50となったのだとすると、罪なマニュアルだなぁと思うし

”+”が絶対温度であるなら、1957と1958との間に何が起きたのか滅茶苦茶気になる(´ε`;)ウーン…

という1940年代から1970年代にかけてのマニュアルに記載しているオイル粘度を考察してみた。1957までの+10℉が摂氏0度基準にした相対温度であると自分は推測している。更に+32℉が丁度摂氏0度でわかりやすく、その時の指定オイルがシングル50だったから、旧車には通年シングル50神話が生まれたのかと推測。

1958年以降は勘違いを防止するため、GRADE58,75,105と絶対温度を記載するようになったのかなぁと。

さらにショベルの1970-1978までのマニュアルでの指定オイル粘度もGRADE58,75,105と絶対温度を記載しているので、少なくとも1958年以降の車両に関しては、SAE50のシングルグレードを使用できるのは気温が高い夏場で、それより低い場合はSAE30かSAE40になっている。なので、20w50のマルチオイルがある現在においては、旧車でもマルチオイルガオールシーズン指定オイルであるといえる。

 

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