マニュアルに書いてあるショベルのオイルはマルチオイルという事実

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ショベルヘッドに使用するオイルはシングル50なんだと、雑誌に良く書かれていたり未だにそのようなことをYoutubeで配信してたりするので、シングル50でなければならないと思わされている方々に、マニュアルに書いてある”事実”をまとめておく(1978後期ー1984のマニュアルより抜粋)

”次のオイル交換期間の前に予想される最低気温には、次のように適切なグレードのオイルを使用してください”


英語だとわかりにくいと思ったので、華氏を摂氏に変換した表を作った。

追記:Special lightはGrade58でSAE30 真冬はSAE30が指定

一番上を見てもらえばわかるように、エンジン始動時に外気温が-12℃から38℃なら”POWER BLEND SUPER PREMINUM”が推奨されている。

ショベルにはシングル50でないとダメという都市伝説

 

これを書いたので読めばわかると思ったけど、まだ、ショベルヘッドにはシングル50を入れなければ漏れるとか、マニュアル無視の話を聞くのでまとめる。

“POWER BLEND SUPER PREMINUM”が何かを調べていないのだろう

これがPOWERBLEND 見ての通りAMF時代のものだ。こちらで購入できる

日本の冬で走ろうとするときは外気温、最低気温4℃くらいだとすると、この場合、マニュアルによるとPOWERBLENDかMEDINUM HEAVYが推奨

MEDINUMHEAVYは画像からSAE40だとわかる。REGULARHEAVYはSAE50

SAE50は外気温が最低気温16℃以上、日本でいうと初夏、6月くらいからの気温だ

さらにエンジン始動時に外気温、最低気温が27℃を越えてくる場合は

EXTRA HEAVY シングル60 となっている。日本では真夏にあるかないかくらいの気温かなと。

で、そんな気温に左右されずにオールシーズン使えるオイルとしてあるのが、最初に書いた、”POWER BLEND SUPER PREMINUM”

これはマルチオイルで20w50

マニュアルに記載されている内容だけみると、日本でショベルヘッドに使用出来るオイルは20w50のマルチオイルが面倒なくて丁度いいということがわかる。

ショベルヘッドだからSAE50っていうのは間違いで、事実は、外気温が最低気温16℃以上ならSAE50が使えますよ、最低気温4℃くらいならSAE40にしてくださいねってこと

推奨は20w50のマルチオイルですよ、ってことがマニュアルには記載されている。

1970-1978前期のマニュアルには”POWER BLEND SUPER PREMINUM”の記載は無い。この当時にはまだ”POWER BLEND SUPER PREMINUM”が無かったのだろう。

それでも推奨は、4℃以上はグレード75(SAE40)でグレード105(SAE50)は高温の厳しい使用状況と記載されている。現状、SAE40の純正オイルは無いことからマルチが出来た時点で、4℃以上の場合、4℃以下の場合にはマルチオイルが代替品になったんだろと推測

なぜショベルヘッドのオイルにはシングル50ということが定番になったのか。自分もご多分に漏れずそう信じていた。雑誌にそう書いていたからだった。

色んな専門誌読んでもそう書いてあった。みんなそう書くし、誰もがショベルヘッドのオイルはシングル50なんだって疑わずに、なんでシングル50しかダメかを教えてくれた。クリアランスが大きいからとか、ひどいのになるとねとーっとしたオイルで膜を作ってシールするとか、今思えばそんなことあるわけねぇって思える内容ばっかりww

マニュアルに書いてある内容は、温度によってグレード変えろよ、推奨はマルチオイルだぜメ~~ン である。

これが日本の同調圧力。先日アップした迷惑ハーレーの報道と一緒。未だにクレープ屋の前の道が歩行者天国だって思っている人多数。叩くなら事実に基づいて責めないと。

”事実”よりもみんなと同じ方向を向く安心感、疑問に思わせない同調圧力

異論を唱えると袋叩き。今はネットで色んな情報を得ることが出来るので、様々な角度から事実に辿り着けたらいいなぁと思う次第

ちなみに、自分は年中、フルシンセ(全化学合成:全合成とは違う)の20w50を使用しているがエンジンオイルが漏れることは無い。結構回して結構な距離を、真夏も真冬も乗って前回OHから3年近いが大丈夫。

追記:SAE規格には100℃における動粘度(cst)に幅があり、SAE50といえど16.3cst~21.9cstに入っていればSAE50に分類される。なので、16.3cstの50番オイルであれば冬以外は大丈夫だけど、夏はしんどいと思う。要するに同じSAE50でも柔らかいのと固いのがあるってこと。

セイボルト粘度を動粘度に変換する際に、40℃での変換か100℃での変換かで動粘度も変わってくる。105秒は100℃で換算すると22.5cstとなりこれはSAE60になる。しかし存在するオイル缶にはSAE50とあるので、40℃での換算なのかもしれない。調べてみるとセイボルト粘度は38℃とか40℃で測定するもので、100℃での動粘度換算がSAE変換の間違いに繋がった可能性も微レ存

20w50でも100℃での動粘度をカタログ値で確認出来るオイルが安心だと思う。マルチ入れたらシャバシャバになったというのは、ひょっとしたら100℃での動粘度が16.3cstくらいのオイルなのかもしれない。

ちなみにREDLINEは20W50では19.5cst 20W60では23.8cstでありREDFOX 15W50は18.9cstとなっている。以上を鑑み、夏場も冬場も安定して使えそうなREDLINE20W50を現在は使用している。

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