プライマリーケースの締め付けトルク

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先日、デビー兄さんのFLHのプライマリー周り分解のお手伝いをしました。
最後にプライマリーカバーを締め付けるときに
unc1/4-20のネジを締め付けるのですが、毎回ここをマニュアルの規定トルク
18-22ftーlfbs(英語版)
24-30Nm(日本語版)
で締め付けと、大抵雌ネジをなめてしまいます・・・
アルミが弱っているからそうなるのだと思ってました。
だから自分のプライマリーはほとんどヘリサートが入ってます ヘ(゚∀゚ヘ)アヒャ
で、件のデビー兄さんのですが
「ここ締めてよー」
「えーー、いやですよぉ。なめますもん」
という会話のあと、デビー兄さんが規定トルクで締め付けましたが・・・
残念ながら一つなめてしまいました・・・(つд⊂)エーン
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なんでなめるか考えてみた。
まず、プライマリーカバーは鋳物なので流れやすいAC2A-T6を使用していると仮定。
これの引っ張り強さが
280MPa~340MPa ->280N/mm2~340N/mm2 単位変換プログラムより
これは1mm2の断面積に340N(大体34kg)まで耐えられますよってことです。
直径1mmなら
1×1×3.14/4 【直径×直径×円周率÷4】=0.8mm2
34×0.8=27.2kg
結構、アルミの直径1mmの棒でも耐えられるものですね。
で、
メネジにはせん断という力が加わりますので、これは大体引っ張りの半分として考えます。
となると
140MPa~170MPa
次にメネジですけど
UNC1/4-20 【ユニファイという規格で外径が1/4インチ(約6mm)で1インチに20個のねじ山】
が使用されてます。
ピッチが25.4/20=1.27mm
ネジのかかりを10条として、力がかかる部分をねじ山の真ん中(正確には違う)とすると
締め付けの軸力を受ける面積は
0.635×5.524×3.14×10=110.2mm2
くらいになります。
これに先ほどのせん断応力をかけますと
140×110.2~170×110.2 = 15428~18734 N になります。
だから、ボルトの軸力はこの値より小さいのが望ましいわけです。
軸力ってのは、ボルトを締め付けるとネジ部で引っ張られるようになるので
そのときに発生する力です。
さて、ここで近似としてM6のデータ見てみましょう
ここの3ページ目
12.2Nmの締め付け力で最大14500Nの軸力が発生してますね。
規定トルク24Nmが最小ですが、これだと大体29000Nの軸力が発生します。
ん??
( ´゚д゚`)アチャー メネジの耐えられる力を超えちゃいましたね・・・
というわけで、マニュアルのトルク値で締めるとかなりの確率でメネジをなめることがわかりました・・・
あ、ちなみにおやぢさんは一言
「あ、そこの値間違ってるからww」
と・・・。さすがです。

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ええええええええええええっ
(0∀0;)
一回目はオーバートルクで締めてしまいました。
たしかに規定トルクまでいかないぐらいでやめました。あきらかに壊れそうだったのでw
二回目以降は腕トルクでしたw
私のFLHも一ヶ所除いて全てリコイル済みですよw残りの一個も壊れかけていますがorz
あまりブログでマニュアルの値書かないほうがいいのかもしれませんね。
(キッククランクギアで書いてしまいましたw)
今のところクラッチハブとかは規定トルクの最小値ぐらいで組んでいます。